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2024.02.22#イベント

第9回地域研究公開講座 「沖縄における地域史とオーラルヒストリーの方法」が開催されました。★YouTube動画あり

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第9回沖縄大学地域研究公開講座「沖縄における地域史とオーラルヒストリーの方法」がオンライン(zoomウェビナー)にて開催されました。

●日 時:2月1日(木)15:00~16:00

●司 会:我部 聖(沖縄大学 経法商学部 教授)

●報告者:

若林 千代(沖縄大学 経法商学科 教授)

謝花 直美(沖縄大学 地域研究所 特別研究員)

●開催方法:オンライン(Zoomウェビナー)

●参加者からの感想(一部抜粋)

1短い時間でしたが、とても勉強になりました。地域で生きる中で、共通する課題を背負っている互いへの信頼があるからこそ聞き書きは可能になるというお話が心に残りました。語りや傷の商品化についてのご指摘、『沖縄の生活史』についての評価の中で言われていた、聞きっぱなしではダメだということや大きな物語と小さな物語の二択ではないというお話も勉強になりました。要は、謝花さんのお話にあった話を聞いたものの「責任」、証言に居合わせたものの「責任」を引き受ける覚悟が聞き手にあるかどうかということなのかなと、非常に重い課題だと思いました。40代団体職員
2本土歴史に重ならない、歴史琉球沖縄歴史が固有にある事からも、復帰以降本土を凝視し過ぎるご指摘箇所が新鮮でした、此処の小さな物語がアジア、世界へと大きく膨らんでいく点に、この地の展望を改めて思います。
記録文学からのテーマ次回を楽しみにさせて頂きます。ジャーナリズム論が共通科目で在る事を知り、うれしく驚きました。社会の中での知るを中心にされていると感じ入りました。
70代一般, 沖縄環境ネットワーク
3復帰50年の扱いは展開が難しくなった、復帰が自明のことなのか…という、謝花さんの投げかけから色々考えました。『いま沖縄をどう語るか』を読みます。50代会社員
4お二人の発表を通じて、研究プロジェクトの意義と方向性、そして沖縄戦後史研究においてオーラルヒストリーが果たしてきた役割と課題について、理解を深めることができ有意義でした。50代地域研究所特別研究員
5若林さん、謝花さんともにそれぞれの研究の貴重な内容を共有していただき大変ありがたく、またそこから提起していただいて参考になりました。
若林さんがおっしゃられた「記憶」と「語り」がどん欲に売り買いされる現代、という点は、私も自身に問うことを忘れないようにと思っている部分ですが、質的研究、特にオーラルヒストリー、ライフストーリー、エスノメソドロジーなど、対象者から聞くという営みににおいては批判的に研究される(実践される)必要があると私も思います。続いてのcovering, effacementも同様に、こういった視点を提起してくださってとても良かったです。
謝花さんのお話からは、地道な調査、対象者の方との関係性を大事にした聞き取り(と記事)が、どのように社会を見ることにつながっているのか、改めて考えさせられました。沖縄戦の個々の体験が聴き取られたことの中で、「本は買えないけれど、新聞で読んで知れる」とおっしゃられたことに、沖縄戦の継承について新聞紙の果たした役割の大きさを感じました。「沖縄戦と戦後史を巡るオーラル?ヒストリー」は、私も関心があるテーマで、今後も注目しています。
40代公務員
6短い時間でしたが勉強になりました。ありがとうございました。沖縄戦の聞き書きの中には、戦場体験だけでなくて戦後生活も含めたものがあるように思います。そうしたものは占領期経験の聞き書きに入るのでしょうか。また沖縄戦の聞き書きも60年代末から始まったことを踏まえると、沖縄戦の聞き書きという行為自体が占領期経験の一部だともいえるのではないかと思いました。20代大学院生(本学以外)
7新聞記者の取材方法の違いという論点が興味深いと思いました。どのような違いで何に由来するのか。記者個人の問題意識ということもあるかもしれませんが、取材する側としての「ジャーナリスト」という職業が沖縄戦後史でどのように変わってきたのかという、制度的変化の部分もかかわりがあるのかもしれないとお話をうかがいながら考えました。今後の研究に期待いたします。60代一般
8「聞き書きをとるということは、きき手の問題意識と予備知識がためされることにほかならない」という新崎盛暉さんの言葉に、我々は一層努力しなければならないと痛感しました。デジタル時代の現代、記憶や語りがマーケティングや消費の対象になるという問題提起に賛同しつつ、それでは、どのように記憶や語りを記録していくのか、一層の議論が必要だと、感じました。熟慮していきたいと考えさせられました。40代会社員
9もはやもう戦後ではなく新しい戦前だとおっしゃる方もいらっしゃいます。
考えてみたら、いわゆる戦後と呼ばれた時代から78年たち、復帰から50年たちオーラルヒストリーを拾い上げるには、語る方々がかなり少なくなったのではないかとお話を聞かせていただいて、途中ふと思いました。
そうであれば、生きている今の語りを拾い集めなければならないのではないか、と。
新しい戦前どころか戦中かもしれない今を息を殺しながら、恐ろしい思いでみつめているような気がします。
60代一般
10若林、謝花両氏のこれまでの研究蓄積を通した深い意見に同感した。両氏の今後の研究に期待する。60代地域研究所特別研究員
11次年度の研究成果?報告も楽しみにしています。50代団体職員
12謝花先生の授業で『あなたの出身地の沖縄戦」というレポート作成の時、当時七歳で終戦を経験した現在85歳になる中学の時の先生に聞き取りに行きました。庶民の戦争体験はどの家庭にも物語があり、それぞれに事情が異なり、それは戦火の中生き延びてきた沖縄の生活史そのものでした。小さな物語も残せばオーラルヒストリーになると今日の講座からその意義がわかりました。60代大学生(沖縄大学)
13同じ社会に生きている人間としてお話を聞く。それに尽きる感じがしました。人間対人間として向き合ってはじめて互いに感覚が流れ込んできて共有認識を持てる気がします。コザ暴動の車の位置を現地で再現するイベントとか面白そう、とコザの話を聞いて思いました。40代会社員, 自営業
14貴重なお話しをありがとうございました。「自分が聞けていない」ことを知る、「相手の語りを制限していないか」を考える、とても大切なこただと思いました。50代公務員
15自分自身が聞き取り調査をする際、話者の方にどのように向き合えばいいか考えさせられました。30代他大学教員

上段:我部 聖教授
下段:左より若林 千代教授、謝花 直美氏