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2024.10.11#メディア掲載

『自立した地方自治の構築に尽力 大学教員生活50年目の節目に琉球新報賞受賞』仲地博元学長

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2024年9月25日に行われた、第60回(2024年度)琉球新報賞の授賞式において、本学元学長の 仲地 博先生が社会?教育功労賞を受賞いたしました。研究職に就かれて50年という節目の年の受賞、地方自治の在り方を追求し、沖縄の自立を求めて尽力された仲地先生にお話を伺いました。

仲地博先生

1945年6月生まれ。那覇市首里出身。首里高校、北海道大学法学部、明治大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。1974年琉球大学専任講師、その後大学教育センター長?法文学部長を歴任、2009年から沖縄大学教授、その後副学長?学長を歴任。那覇市市政功労者(2019年)、沖縄県町村会記念特別功労者表彰(2019年)、第60回琉球新報賞(2024年)。

「行政法」を研究した理由について

私は国費学生として北海道大学法学部に進学しました。国費学生は沖縄での就職が求められていましたから、沖縄のために役にたてる仕事はなにかと考え、だした答えが、行政法に詳しい琉球政府の公務員でした。ただ、大学卒業時点での自分はまだお役にたてそうにないなと思い、大学院に進むことを決めたのです。
当時、国や社会の在り方について多くの発言をされていた和田英夫先生が明治大学におられて、その先生が北海道大学で助教授をされていた経歴に親しみを感じて明治大学大学院に進学しました。先生にもとてもかわいがっていただきました。憲法や行政法について学ぶ意欲のある学生たちの中に入って、そのころから勉強がおもしろくなってきました。また、先生の期待にも応えたいというのが研究者を志した理由です。
博士課程を終え沖縄に戻ると行政法を看板に出している人は一人もいず、若いころから県内の研修会や委員会から声をかけられ、講師や委員等を務めることになりました。県の重要な政策立案にも携わることができたのです。那覇市の情報公開制度、沖縄自治憲章、道州制など多くの重要な課題に関わってきました。

沖縄の地方自治の在り方について問い続けた50年

沖縄は復帰時点で、残された多くの課題がありました。例えば戦後、土地の位置や境界が明確ではない土地が広範に存在するという大きな問題に対して県が率先して地籍明確化法の立案をし、解決に導くことになりました。国へ、単なる要請ではなく法案を作り国会で成立させていく、沖縄が国に対して物を申すという姿勢は今も受け継がれていると思います。1996年の全国初の県民投票や太田知事時代の代理署名拒否など地方分権への道を開いたといえるでしょう。
「上下主従の関係から対等協力の関係へ」、地方分権の理念ですが、それを牽引したのが沖縄です。そういう躍動する時代とともにあった50年でした。。

沖縄への期待?沖縄の若い人材への期待

人は自分の足で立ちたい、自分らしく生きたいと思いますが、地域も同じです。自立し、自律する沖縄、そのような時代がくることは遠くないと思っています。50年前に比べると地域の力は比較できないほど強くなっています。
大学教員時代に感じたことは、学生には大きな可能性があるということです。プロ野球ドラフト会議で一位指名、司法試験合格など沖縄大学の学生がそれを示しています。若い人は自分の可能性を信じ大いに発揮してほしいと思います。

今回の賞受賞について

「社会に貢献する学問と教育」という大学院時代からの私のポリシーに合致する場所をあたえられたことは、私の幸運でした。琉大で35年沖大で10年計45年の長きにわたり用いてくださった琉球大学?沖縄大学をはじめ皆様に感謝しています。
社会人生活50年の節目の年に与えられた賞を、最初は卒業証書だと思いましたが、まだ私にできることがあるならやれという、激励の賞なのではないかと今は思っています。

琉球新報賞受賞式(佐喜真理事長や山代学長ら、沖縄大学関係者と共に)